11月28日、第3回目の日本ケアマネジメント推進議員連盟総会が開催されました。この日は、議員連盟の決議が行われ【質の高いケアマネジメントの実現に関する決議】がなされました。(衆議院第2議員会館にて)

                    質の高いケアマネジメントの実現に関する決議

 居宅介護支援(以下「ケアマネジメント」という)は、介護保険制度創設により導入されたものであり、その後導入された介護予防支援を含めて、介護支援専門員(以下「ケアマネジャー」という)がケアプランの作成やサービス提供事業者との連絡調整等を行うものである。
 制度創設時から、事業者数も利用者数も増加し、現在では、事業所数は4万箇所を超え、利用者数は三百万人を超えるなど、ケアマネジメントは国民の間に広く浸透している。
 制度創設から約二十年が経過し、近年は、かかりつけ医をはじめとする医療との連携や、地域における多様な資源の活用、災害時における支援など、制度創設時には必ずしも多くの時間を割いてこなかった業務についても、積極的に取り組まれるようになっている。
 その一方で、ケアマネジャーの業務負担は大きく、また、その処遇については、他の介護職員の処遇改善が進んだこともあり、相対的に低くなっているとの指摘もある。
 こうした状況に鑑み、政府および関係者においては、以下の取り組みをすべきである。

一、 医療や福祉関係者との連携が必要不可欠となる中で、医療関係者と同様、高い専門性を持って連携を行うことが求められていることに鑑み、研修の充実や介護報酬での対応も含め、ケアマネジャーの専門性と社会的地位の向上を図るための取組を行うこと。

一、 ケアマネジャーの業務が制度創設当時に比べて増大し、その内容も介護者も含め高齢者の生活全般を支えるものへと変容していることに鑑み、業務の効率化を図るとともに、ケアマネジャーは事実上の国家資格であることを踏まえ、その処遇については、業務内容やその専門性に見合ったものとなるよう向上を行うこと。

一、 利用者負担の導入については、それが利用者やケアマネジメントに与える影響を踏まえ幅広い観点から慎重に検討すること。なおその際には、低所得者に配慮することはもちろんのこと、いわゆるセルフケアプランが過剰に推奨されることがないよう専門職の関与を含め必要な対策を講じること。また、この見直しにより生ずる財源については、その全額をケアマネジャーの処遇改善や資質向上など、質の高いケアマネジメントを実現するための取組に充てること。

一、 これらの取組に加え、ケアマネジャーを取り巻く環境や業務の変化を踏まえ、今後のケアマネジャーに求められる役割を整理するとともに、その役割を果たすにふさわしい制度や環境の整備に努めること。

右、決議する
                                       令和元年十一月二十八日
                                             日本ケアマネジメント推進議員連盟

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左 尾辻秀久会長 右 渡嘉敷事務局長

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左 大島一博老健局長 右 尾崎守正老健局振興課長

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